ベートーヴェン:ピアノ協奏曲5番「皇帝」をクナッパーツブッシュ/バックハウスで聴く
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 OP.73「皇帝」
ピアノ:ウィルヘルム・バックハウス
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、1953年3月17日ライブ録音
いまから53年まえの録音オリジナルを24BITでADD MONO リマスター、リリースされた。
クナッパーツブッシュ指揮の第3、第4番第5番協奏曲をエキサイテングパフォーマンス シリーズとして1枚のCD化で発売、時期は不明。
第1楽章
オーケストラのトゥッティ、ピアノのカデンツァと続く、オーケストラのトゥッティとテンポが速く緊張感が強くなり、フルート、オーボエ、ホルン、フアゴットの音が弦楽器群の強音に消されず美しく響くのが印象的。
高、低弦楽器群、それぞれのパートの音が綺麗だ。
そして強弱のアクセントが歯切れ良く盛り上がり、テンポの速めかたが(カラヤンと比べるとかなり速い)クナッパーツブッシュなのだろうか。
中間部になだれ込むようなピアノの弾奏、バックをヴァイオリンの音色の美しいスタッカートの緊迫、この楽章を支配しているパッションをあらわすようなオケの演奏。
オケの音の幅の広さ、メリハリの利いた響きがスケールの大きさを感じさせるが、この演奏を再現させた24bitCD化技術、バランス・エンジニアリングのことも思う。
中間部の終わりあたり、カデンツァ風のピアノのあと、ホルン、フルートとオケが協奏し、ヴァイオリンがスタッカートで加わり、美しい。
ここは私が一番好きなところで魂を揺さぶられ、胸を熱くする。ピアノが低いところから高くへ上昇し、ホルン、ヴァイオリン、フルートの音色が美しい。
バックハウスのピアノは圧倒的迫力だ。
カラヤン&ベルリン;ワイセンベルグ(p)のLPのこの楽章はどうか。
テンポが遅くオケのトゥツティは重々しく、コントラバスの低音の響きの重厚さ、帝王の「皇帝」か、悠揚迫らずといった堂々たる格調かな、などと思ってしまう。
第2楽章
序奏の弦楽器の美しさ、崇高な感じの主題をピアノそしてホルンやフルートが美しくリリカルに協奏して変奏するが、その音色やリズムの強弱がやはり個性的で美しい。
カラヤン&ベルリン;ワイセンベルグ(p)のLPのこの楽章は、同じようなテンポでやや遅めな感じであったが、音の温かみ、カラヤンの荘重な格調のようなものを対比的に感じてしまう。
第3楽章
ベートーヴェンのピアノ協奏曲完成作品最後の作品の終楽章、当時としては前衛的だったのではないかという創造性豊かさを
思いながら聴く。
バックハウスは奔放、華麗、緻密で情熱的だ。
クナッパーツブッシュのオーケストラもきらめく音、快活さと甘美さをダイナミックに展開して、ピアノのウエイトの高いロンドを、堂々たるコーダへと導く。
ベートーベンのピアノ協奏曲1番から5番まで聴き、書き終えた。
何度も何曲も聴き返し熱中した。
ベートーヴェンの偉大さ、ピアノ協奏曲の音楽史上の燦然たる位置など、思いを致すところは深い。
次回はモーツァルトのピアノ協奏曲20番、ベートーベンが書いたカデンツアをゼルキンが演奏したことについて書くことにする。
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