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2007年7月 7日 (土)

モーツァルト;ピアノ協奏曲第12,13,15番を聴く

Fi2619740_1e モーツァルト・ピアノ協奏曲全集、CD-4より
ピアノ&指揮:GEZA ANDA
演奏:Camerata Academica des Salzburger Mozarteums


1782年モーツァルトは、ウィーン時代のピアノ協奏曲の最初のシリーズ3曲、11番K.413,12番K414,13番K415を作曲している。.
今回の第1,第2曲はここから.。
第3曲目第15番はこの3曲シリーズの翌年1784年、14番、15番、16番、17番、18番、19番と作曲された中の1曲。
さらに翌年1785年第20番、第21番、22番へ、86年23番、24番25番、88年26番、亡くなる91年、27番と連なってゆく。

ピアノ協奏曲 第12番 イ長調 K.414 1782年,26歳のとき作曲
繊細で軽快なリズムでオーケストラが序奏、優雅で華麗な旋律が美しいピアノを導く第1楽章
ピアノが変奏し展開するテーマをオーケストラが旋律でこたえるような盛り上がりの後、短いけれど凝縮されたモーツァルト自身の書いたカデンツア。素晴らしい。

第2楽章。高橋紀子氏の解説によるとこの楽章はヨハン・クリスチャン・バッハの作品からとられたものだそうだ。修行時代にはクリスチャン・バッハの影響を受けていて、上記で触れた1782年の3曲のピアノ協奏曲を作曲したこの年、クリスチャン・バッハの訃報に接している。宗教的な深さをもつこのアンダンテは3曲の中でも最も美しい緩徐楽章といわれている。ピアノのソロが音の高低、強弱、間で表現する奥深いものを伝え、弦が和して際立つ美しさ。
第3楽章
さまざまな主題の変化は躍動し、転調するロンド形式。カデンツァはモーツァルトの書き遺したもの。優しく華麗に力強いリズミカルに短くコーダヘ。

ピアノ協奏曲 第13番 ハ長調 K.415 1782年~83年,26歳ころの作品

高橋紀子氏によれば、モーツァルトにとって、”ハ長調”はアポロン的おおらかさ、壮麗な性格を持つこと、この13番が管弦楽器編成が作曲当初より、当時としては大きな規模に作り変えられていったこと、を特徴としてあげている。

第1楽章ハ長調
なるほどなるほど。
オーケストラの序奏から緊張感が迫り緻密さを暗示するかのよう。ピアノのソロが明快な強奏、高度な構成美を感じさせ変奏展開し、オーケストラが語りあい興が深い。
終結部のソロはカデンツアと思うほどであった。

第2楽章アンダンテ ヘ長調
のびやかなテーマをピアノが歌い、オーケストラも繊細な美しい旋律でこたえる。ピアノがもの憂く甘美な抒情を歌い続ける。

第3楽章アレグロ ハ長調 ロンド形式
優美ではぎれれの良いオーケストラの重層的なフレーズ、ピアノソロの明快華やかな音階を主題に、次々とロンド形式で回ってゆく。
幅広い音域をダイナミックに奏されるカデンツァはモーツァルトの書き遺したもの



Fi2619740_2e ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調 K.450 1784年,28歳の作品

モーツァルト自身にとってこのK.450は、特別の意味を持っていたらしく、220余年の後世のものにとっても、その意義がわかるように思う。
ピアノ協奏曲全曲を何度も聴きとおしてみて、独奏ピアノの演奏技法、管楽器群の活躍など新たなイメージの印象が深く、この”特別の意味”がこのことをいうのか、と思うのである。

第1楽章アレグロ 変ロ長調
管楽器の快活なテンポ、弦楽器の序奏が、何か楽しいことが始まりそうで、ワクワクさせる。
その通り。
長い序奏の後,ピアノの煌びやかな輝く音が宝石をちりばめたように華やか、高度な技巧をテンポ速く駆使し、オーケストラも盛り上げる。
モーツァルト自身が書いたカデンツァがフルに鍵盤を駆ける。
初演はモーツアルト自身が演奏したそうで、このカデンツァもそのままだ。

第2楽章アンダンテ 変ホ長調
穏やかで優しい弦の短い序奏のすぐ後、ピアノが抒情的なテーマのソロに入る。
熱い情熱を内に秘めて抑制し、静かに物思うテーマを変奏して高揚してゆくのだ。オーケストラの旋律が愁い多く、その上をピアノが熱情的な弾奏になり、やがて静かに繰り返す変奏のテーマがオーケストラと次第に盛り上がってゆく。
最後はppになって静かに終える。このあたり、胸が熱くなって、涙がこぼれそう。
第20番第2楽章とともに私の好きな曲である。

第3楽章アレグロ 変ロ長調
快活な雰囲気がロンド形式で回る。
カデンツァはモーツアルト自身が書き遺したもの。


参考文献
1.”高橋紀子氏によれば”との引用部分は、音楽の友社刊:作曲家別ライブラリー13;「モーツァルトⅠ」より。
2.モーツァルトの年齢、作曲年代は、独自に編纂したジャンル別作曲年表より。


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