BGMでモーツァルトの弦楽四重奏曲(ハイドン・セット)第15番
08年7月8日、オフィスで聴いたK.421。
意識したのは第3楽章メヌエット(アレグレット)のとき。
3部形式の第1部は悲壮感の曲趣に惹き込まれるが、中間部のトリオは明るく優しく弦が奏でる旋律とピチカートが舞曲風に刻み、そして短い終結部で、トリオを印象深いものにする。
第4楽章は主調がニ短調。主題と4つの変奏、コーダからなるが、第4主題だけがニ長調、他のすべてはニ短調でこの楽章を構成している。
憂いを含んだ旋律の主題が起伏、高揚して弦のパートが響きあうのが心に迫る。
ニ長調の変奏はデリケートで優しい情感を歌い上げ、作曲時のアマデウスの愛妻への気持ちが現れたのかな、など、思いを巡らさせる。
そして、あらためて自宅でアルバン・ベルク四重奏団のCDで聴き直したのである。
モーツァルト作曲 ハイドン・セット第1集より
弦楽四重奏曲第15番 ニ短調 K.421
「ハイドンセット」、「ハイドン四重奏曲」ともよばれる弦楽四重奏曲 第14、15、16、17,18、そして最後の第19番の 6曲はハイドンに献呈された。
第19番を書き上げてすぐ、自宅にハイドンを招いて聴いてもらったそうだ。
そして献呈の言葉を添えて出版された。
これがハイドンへの尊敬をもこめ、わが子のように思う6曲への想いを述べた音楽史上もっとも美しいといわれる文で、モーツアルトの作品、生涯、いろんな逸話を思い浮かべると胸が熱くなる感銘深いものです。
その6曲の中で短調の曲はこの第15番のみであり、深く深く心に染み入るような興趣をよぶ美しい曲だ。
第1楽章から第3楽章までニ短調に統一され、モーツァルトの短調の作品の中でもっともペシミスティックだといわれているが、神秘的なモチーフを優美に奏し、音符の刻むリズムが加速し、幽玄ともいうべき世界に誘う。
第2楽章、ロマンチックな憧れと悲哀の交錯する美しい旋律が歌いあい、繊細で、何か切ない情念を覚える。
そしてこのページ冒頭の第3、第4楽章へとすすむ。
第3楽章はモーツァルトの第1子の出産の最中に書かれた、とコンスタンツェが後年語ったと伝えられている。
ああ・・・。メヌエットのよろこびにあふれた揺らぎ、トリオの優美な旋律をピチカートが際だたせる。
美しいな!
第4楽章の変奏はビオラが主題、他の楽器が対話風の伴奏をしたり、旋律美が現れたり、室内楽の妙味を堪能するようで、とてもすきだ。
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