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2016年9月の2件の記事

2016年9月22日 (木)

NHK音楽祭2015 オール フランス・プログラム

まえがき
前回のブログでラヴェルの作品に目覚めた気分であった。
たまたま録画してブログにUPしていない次の掲載作品に今回の”オール・フランス・プログラム”があり、パーヴォ・ヤルヴィがレクチャーしているのがとても楽しく、開眼されるようだったので、ほぼ全文を記録した。


NHK クラシック音楽館
NHK音楽祭2015 オール フランス・プログラム
2015/11/8 放送 (公演 2015/10/8 NHKホール) 


パーヴォ・ヤルヴィ指揮
NHK交響楽団
ピアノ;ジャン・イヴ・ティボーテ {下記You Tubeに掲載のラヴェル:ピアノ協奏曲動画のピアノ奏者と同じ}


Ⅰ. ドビュッシー作曲 牧神の午後への前奏曲

パーヴォ・ヤルヴィ談:
音楽の歴史を変えた作品。
この10分ほどの曲から革命を起こしました。
それまでの音楽の方向性をがらりと変えたのです。
簡潔で短い中に官能的なストーリーをほのめかしています。
印象的なフルートのソロ(N響フルート首席奏者:神田寛明さん)で始まるオーケストレーションも斬新でした。
独特の和声法は印象主義の音楽の礎となりました。
感情や情景を具体的に描くのではなくあくまでも雰囲気だけを醸し出す。香りが漂っているけれどそれが何か分からない感じです。
こうした音楽は当時としては大変珍しく、新しい流れとなったのです。

Ⅱ.ラヴェル作曲 ピアノ協奏曲
 ピアノ: ジャン・イヴ・ティボーテ

 ジャンのトークのあらまし:
ジャンの教わっていたパリ音楽院のデカーヴ先生はラヴェルと知り合いでした。
おそらくラヴェルは音楽史上最もオーケストレーションの巧みな作曲家です。
他の作曲家の手本になってきました。
信じられないくらい魅惑的で多彩な音色を引き出しています。複数の楽器を重ねてその色彩を出しているのですね。
ピアノの音はそこに混じっていて時々色彩を加えるだけのこともあります。
その場合ピアニストも無限の色彩を作り出すのが仕事になります。
ラヴェルは大編成にならないよう楽器の数を指定しています。
当初ラヴェルはこの曲を「ディヴェルティメント」と名付たかったのです。
ピアノはオーケスラときわめて密接な関係を保ちながら会話を繰り広げる、それがこの曲の醍醐味です。

第1楽章 は一番難しいとは言わないまでも、最もデリケートな曲です。テンポや色彩感、雰囲気、性格が目まぐるしく変化します。
最後は、右手がトリルを奏で続ける美しいカデンツアです。
トリルがメロディーを紡いでゆく、なんとも現代的、当時としては(1875~1937)新しい試みでした。
短時間にさまざまな感覚が味わえる楽しい旅とでも呼べる楽章です。

第2楽章 はピアノ作品中で最も美しく、信じ難いほど魅惑的な1ページと言えるでしょう。
冒頭にソロが奏でる長いフレーズ驚くべきもので、呆気にとられるほどシンプルです。
モーツァルトへの賛辞を込めているとラヴェルは言っていました。
この協奏曲をモーツァルトへの一種のオマージュにしたかったわけです。
モーツァルトにも聴く人を驚かせるシンプルさがありますよね。
感動はこのシンプルさ来るのでルバート(意1、感情の起伏に応じて速度を自由に加減して演奏する.・・・など近年特にジャズの演奏時になど使われる、らしい)や複雑なことをしてはだめです。
シンプルさのおかげで内面から深い感動が染み出てくるのです。
この長いフレーズは糸を持ってそーっと引っ張り伸ばしていくみたいです。
後半ではイングリッシュホルンがピアノの主題を引き継ぎ再現するのですが、ピアノはそれをらせん模様のように飾っていきます。極上の音楽です。

第3楽章 は技巧的で華やかな面を聴かせてくれます。あちこちにユーモアが感じられ誰もが楽しんで弾きます。今日も楽しみますよ。
裏拍にアクセントが入るなど、ジャズの影響を受けたリズムが何度も聞こえてきて、ピアニストは華麗なテクニック
を披露します。
ラヴェルは時計や機械に魅了されていました。
この楽章は見方によっては完璧な機械です。
すべてがきちんと機能しなければなりません。
この曲は人生において特別仲の良い親友みたいなものです。
たの友達とも遊ぶけどいつもそこにいてくれる大切な曲なんです。

*この感銘深いお話は、曲をなんども聞いてみようと思うようになる。

YouTubeから2曲下記にリンクします。

(pf)ジャン・イヴ・ティボーテ;ラヴェル:ピアノ協奏曲
 

(pf)アルゲリッチ;ラヴェル:ピアノ協奏曲


Ⅲ.ベルリオーズ作曲 幻想交響曲

パーヴォ・ヤルヴィ談:
比類のない作品です。
物語の主人公はある女優に恋をするのですが拒絶され自殺未遂の果てにアヘンを吸うようになります。
アヘンによる幻覚体験に共感するとろこはありません。
でもベルリオーズがこれだけ赤裸々に自分の悩みを明し、それを音楽にしたというのは驚くべきことだと思います。

ベルリオーズは管弦楽法の本を書いています。
音楽学校で必修の教科書です。
それだけオーケストレーションに長けていたのです。
ロマンチックなところもあるのでロマン派の音楽の代表格ととらえがちですが、歴史的にはベートーヴェンに近い時代の作品です。
ベートーヴェンとの結びつきを感じる個所を楽しみながら指揮しています。
私が好きなのはゆったりした第3楽章です。
舞台裏のオーボエと舞台上のイングリッシュホルンの対話で始まります。
山にいる羊飼いが呼びかけ、しばらくしてこだまのよう誰かが応える。すごく詩的だと思います。
私はどちらかというと、ゆったりした音楽を好みます。この楽章は内容が濃いのにあとの2つの楽章のような
激しい狂気がありません。
あの緩徐楽章をいつも楽しみにしています。

2016年9月 1日 (木)

旧聞!!ジルベェスターコンサート2015

公演 2015年12月31日 ベルリン フィルハーモニー

ジルベェスターコンサート2015


Photo_2左の画像はNHK放送(放送日:2016年?月)の録画をBDに収録したもの。

ジルベェスターコンサートは大晦日の毎年恒例のベルリン・フィル演奏会だ。
2014年のとき、2015のこの時も、ドイツ・メルケル首相が観覧席最前列で拍手をしているのが見られ、印象深い。

第1曲 「エトワール」序曲 序奏でヴァイオリンのソロのところ、第1コンサートマスターの樫山大進が演奏した。
演奏が終わるとサイモン・ラトルが駆け寄って二人は握手。

第2曲 「序奏とロンド・カプリオーソ」 ヴァイオリン:アンネ・ゾフィー・ムター、曲は広く知られた曲で、情緒豊かにしかも厳しい技巧を極限にまで弾ききる、といった感じ。カデンツアは高音の重音がすごい。

 
第3曲 歌劇「ル・シッド」のバレエ音楽から・・・カスタネット、ピッコロ、弦のスタッカートの楽しい調べに心躍らす。
朝の歌、序奏はピッコロとハープのスタッカート、弦のピチカートが抑揚する愉しさ。そして次はマドリードの踊り・・・これは多くの人が聞きなじんだ哀愁、抒情に包まれた歌。フルート、ハープ、オーボエと染みわたるような美しい歌。一転、スタッカートのリズムにのってオーケストラのフォルテイッシモ、コーダになだれこむ。

第4曲 「チガーヌ」 ヴァイオリン:アンネ・ゾフィー・ムターのソロで序奏。難しそうな重音のスラーで旋律、調性、テンポが難解なムード。・・・・
「チガーヌ」とはなんだろう。=「ロマ」を意味するフランス語。=「ジプシー」の偏見的・差別的表現として使用が自粛され新しく”ROMA"という呼び名が広く使われるようになっているそうだ。Wikipedeaより。
作曲 ラヴェル・・・この作品の成立、その背景、生い立ちなど、スペイン、ハンガリーの音楽の民族性、感性など凄さを感じてしまう。

第5曲 「バレエ組曲「牝鹿」
ロンド 躍動する管楽器、憧憬を思い浮かべる楽句、と緩急緩の三部。
ラグマズルカ
メヌエット バレエの群舞などが目に浮かぶような。
アンダンテ
終曲

第6曲 バレエ音楽「ラ・ヴァルス」 
「ラ・ヴァルス」、とはフランス語でワルツのこと。
この曲の正式タイトルは管弦楽のための舞踏詩「ラ・ヴァルス」
全編重厚なパワー、エネルギッシュに満ち、圧倒される。


フィナーレ ブラームスのハンガリー舞曲第1番・・・・ブラームスが好きなんだなー!!オケ全員の熱気が客席と一緒になって年の瀬を越す。

サー・サイモン・ラトルの指揮ぶり、表情、全身を使って圧倒的ポフォーマンスは素晴らしい。

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